社会人基礎力Q&A

キャリアデザインを実現する基礎力

キャリアデザインの基礎力は「対人能力」、「対課題能力」、「対自己能力」の3つです。その具体的能力は取り組む仕事のレベルによってちがってきますが、ここでは社会人1,2年生を想定した基礎力を支える「志と態度」の話をしましょう。

若手社員のQ&A

Q考える力を身に着けるのはどうすれば良いのですか

A 自分で調べ、素直な心で、本当だろうかと、自分に問いかけ続ける事ではないかと思います。
現代は、情報が氾濫し、情報が得やすい社会です。若い人たちはその情報をつぎはぎして、あたかも自分の考えのように錯覚している人が多いのですが、それは本当に調べたことにはなりません。自分の心で納得するまで、追い続ける態度が必要です。そして関係者と意見交換してみることが大切です。


例えば、こんな実験をしてみて下さい。携帯電話やスマホを一日持たなかったら、あなたはどんな心理状態になりますか?また、どうしてそんな心理状態になるのか考えてみてください。身近な現実を深く考えることから、次々と人間という実像が見え始め、考える事の重要さが見えてきます。


そういう態度を継続し続けると、考える力が身についてきます。朝から晩まで2次情報にしがみつき、鵜呑みにするのは考える力を萎えさせてしまいます。注意しましょう。

(2013.5.1更新)

Q「前に踏み出す力」を身に着けるには、どうすれば良いでしょうか。

A 頭で考えることは、行動になりません。また。多くの情報をチェックしていても、前に踏み出す力は生まれません。


若い時、私を育ててくれた先輩のアドバイスは、「トンチンカンでも良い、他の人より一つでも多くの現実、現場を観察し、質問しなさい」という事でした。最初はなかなかできませんでしたが、今になってみると大変役に立ったと思っています。


次は、少しの努力で達成できる小さな目標を持つことです。週、一つか、二つの目標を立て、必ずスケジュールに入れて下さい。これをクリアーしてゆくと、次第に行動の持続力が付いてきます。


三番目は、感動する心を大事にしてください。人間は心が動かないと、行動に結びつきません。できれば、人との会話の中に、感動を見つけ出してくことが大切です。感動したことを相手に伝えれば、いつの間にか人のネットワークが出来て行きます。
若い時、仕事がうまくゆかず、自信を失ってしまった時の日記に、こんな短歌を書きつけた日がありました。
「仕事みな うまく行かざる 夜にして 無性に恋ほし ホロビッツのショパン」
好きな音楽に感動し、救われ、明日のエネルギーになったこともありました。 (2013.4.1)

Q. 入社間もない実習生です。社内研修で社会人基礎力の講義がありました。「前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力」の大切さは分かりましたが、それを身に着ける自信がありません。どうすればよいですか

社会人基礎力は体で身に着けて行くものです。入社時、自信が無いと感じるあなたは正常です。これからが期待できるタイプです。
職場は大学と違い、世代の違う人たちとチームを組んで、仕事を進めます。隣の上司もいますし、チームの上司もいます。また、連携を取らなければならないチーム員やお客様と、様々な人たちにもまれながら仕事を身に着けて行くことになります。その日々は失敗の連続なのが現実です。
まず大切になるのが、それらの人たちとのコミュニケーションです。PCのコミュニケーションだけでなく、なるべく先輩たちの生の声に耳を傾け、人間的関係を深めるように努力してみてください。
心を込めた確認、連絡、報告に心がけ、分からないことを教えてもらう、学び上手に心がけると良いでしょう。
また、入社時は緊張と気遣いで疲れる日々が続きます。心の通う同期の人たちと一緒に話す機会を大切にしてストレスをためないようにしてください。

Q. 入社一年目です。基礎力を身に着ける、早道を教えてください。

早道は目前の仕事に集中することです。新入社員時代は学ぶことが多すぎて、気が散りがちです。しかし、実務習得の早道は、愚鈍に目の前の仕事に集中することが大切です。
営業部門、製造部門、営業部門、実習配属先の仕事でも同じです。一年目の仕事は、その会社が必要としている、基礎のそのまた基礎の仕事です。その実務を習得することが大切です。その過程で、自分の得意分野、不得意分野も分かり始めます。また、不得意分野でも最低限身につけなければならない事務力、交渉力、製造管理力を学ぶことになります。